【地域創生】-ひょうご五国の魅力とこれからの地域づくり 


 兵庫県は、摂津、播磨、但馬、丹波、淡路の五国から成り立ち、古代に定められた広域行政単位の五畿七道で見ても、畿内、山陽道、山陰道、南海道がモザイクのように入り組んでいます。交通の要衝でもあり、マージナルな地域でもあったことから豊かな文化や地域資源が育まれてきました。人口減少、高齢化が急速に進むなかで、こうした資源を活かして、新たな時代にふさわしい地域づくりをどのように進めるべきか全国各地の事例にも学びつつ、考えます



第1回〔9月11日(水)〕

地域歴史遺産を活かした地域づくり-ひょうご五国の歴史文化を考える-

奥村 弘

神戸大学大学院 人文学研究科長・教授

 現在、兵庫県においても中山間部での急激な高齢化、人口減の中で地域の歴史文化の継承が困難となりつつあります。その一方で、地域の多様な歴史遺産を生かした地域づくりが県内各地で展開しています。本講義では、第1に、兵庫県の成立と県内各地の歴史文化のあり方を考えてみたいと思います。その上で、第2に、県内の多様な事例に触れながら、地域歴史文化を生かした地域づくりの持つ地域社会での役割について考えてみたいと思います。

 

 

 第2回〔9月25日(水)〕

ひょうご五国の自然や風土を探る

吉本 剛典

前兵庫教育大学大学院 教授

 兵庫県は日本の中心、日本の縮図と言われ、全国で唯一、日本海側と太平洋側(瀬戸内海側)の両方の地域特性を合わせもつ県です。古来、山地と平地、海と陸、中央部と周辺部などの端境は関門(ゲートウェイ)と呼ばれ、活発な人間活動が展開されて、進取の気運に満ち溢れる所です。ひょうご五国の成り立ちを内から外から、自然や風土の幅広い視野から眺めると、地域理解を見通して、世界認識に繋がる喜びを感じます。皆様すでによくご存知の知識を集合して、兵庫県をどのように見ることができるのか、ごく大掴みに紹介したいと思います。

 

 

 第3回〔10月9日(水)〕

自然や風土の魅力を活かした地域づくり

林 まゆみ

前兵庫県立大学大学院 緑環境景観マネジメント研究科 教授

 摂津、播磨、但馬、丹波、淡路の地域性、そうした各地の風土を活かした庭園、気候や風土の違いとみどりのまちづくりなどについて取り上げます。具体的な事例として、伊弉諾神宮の自生種を活かした茶庭づくりや淡路市五斗長遺跡公園の弥生の森づくりについて紹介します。

 


第4回〔10月11日(金〕

文化遺産を活かした地域づくり

村上 裕道

京都橘大学 文学部 教授

 政治経済のグローバリゼーションの進展や過疎化・少子高齢化が顕著となり、地域社会の衰退とともに地域文化の維持継承が憂慮すべき状況となってきました。地域文化の厚みが日本文化全体の豊かさの基盤であり、その結晶である文化遺産の保存活用が地域の活性化に必須であることを認識し、文化遺産を確実に次世代に継承するために、未来に参じてどのような必要な措置を講じるべきかを論じます。

 


 第5回〔10月23日(水)〕

食を活かした地域づくり

眞鍋 邦大

㈱ワールド・ワン取締役(郷土連携推進担当)、農学博士

 消費する社会である都市に対して、いまもなお生産する社会である農山村においては、生活や経済の基盤を成すのは、農林水産業やそれに付随する食産業であり地域と食は密接な関係にあります。本講義では、講師のこれまでの実践経験をベースに、ビジネスとアカデミックの両面から食を活用した地域づくりや、地域を活性化するフードビジネスの新潮流について学び、これからの都市と地域の関係のあり方について受講者全員で考えます。

 

 第6回〔10月30日(水)〕

地域の変容と地域コミュニティの再生

杉山 武志

兵庫県立大学 環境人間学部 准教授

 ここ数年、良くも悪くも地域の状況が変容しています。特に顕著になりつつあるのは、地域活性化を引っ張ってきたシニア世代を中心とする担い手たちの「悩み」や「疲労感」の蓄積にあります。他方、ローカル志向のもと地域に帰ってきているはずの若い世代が、地域コミュニティへの参加をめぐり、意外にも手をこまねいている様子も散見されます。こうしたなか本講義では、シニア世代の「苦労」と若い世代の「期待」を包み込みうる「温かみのある地域コミュニティ」再生の道筋を講じてみたいと思います。 

 

 

 第7回〔11月8日(金)〕

外国人材の受け入れと共生社会

吉富 志津代

名古屋外国語大学 世界共生学部 教授

 政府は、20194月より新たな入国管理法の施行により、「外国人材」の受け入れを決めました。そもそも、その政策はどのような社会をめざしたものなのか、ますますグローバルになる社会において誰もが頑張れば認められ弱い者が排除されない社会参画を、どのように実現するのか、そこで暮らす私たち住民にとって、多様性を可能性につなげるための具体的な方策を一緒に考えていきたいと思います。

 

 

 第8回〔11月13日(水)〕

先進的ITCを活用したまちづくり

加賀 有津子

大阪大学大学院 工学研究科 教授

 インターネット、スマホ、Wi-Fi、SNSの普及、そして充実した宅配網の存在により、ビジネスのあり方、成功の方程式はガラリと形を変えつつあります。ないものは借りる、シェアは当たり前、コスト高な東京進出はもう古い、サテライトが普通。そんな時代において、企業も行政もビジネスに対しての取り組み方をガラリと変える必要があります。ふるさと納税の返礼品提供事業者など、地域での変革企業の事例をもとに、これからの時代に成功する企業の発想・コツについて考えます。 

 

 

 第9回〔11月20日(水)〕 

産業遺産を活かした地域づくり

前畑 洋平

NPO法人J-heritage 代表

 近年、軍艦島や富岡製糸場が世界文化遺産に登録されるなど、産業遺産の価値が見直されています。兵庫県内でも生野、神子畑、明延鉱山などが日本遺産に認定され、各鉱山に訪れる観光客が増加していると言われます。このように産業遺産を巡る旅をヘリテージツーリズムと呼び、密かなブームとなっています。ツーリズムがもたらす地域創生の可能性について、県内の産業遺産の活用事例をもとに解説します。

 

 

 第10回〔11月25日(月)〕

人口減少社会のまちづくり-若者・郊外・中心市街地・VS東京-

矢部 拓也

徳島大学大学院 社会産業理工学研究部 教授

 「まちづくり」とは学ぶモノではなく、するものであると私は考えています。本講義では,これまで講師が関わってきたまちづくり活動を事例としながら,これまでの人口拡大社会の常識ではなく,人口減少社会のまちづくりの考え方をお話しできたらと思っています。また,講師が徳島大学教員であるので,若干の徳島のアピールとして,徳島県が掲げている「VS東京」の動画を観てもらい,受講生とのディスカッションを通じて,人口減少時代のまちづくりについて考えてゆきたいと思っています。本講座をきっかけに、新たなネットワーク作り、まちづくりの実践へのきっかけとなればと考えていますので、ご興味のある方は気軽にご参加ください。

 

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