【地域創生】-人口減少・高齢社会下の地域づくり

 

 少子高齢化の進展や人口減少、東京一極集中の是正などの構造的な課題に対応し、将来にわたり持続可能な地域社会を構築するため「地域創生」の取り組みが進められています。若者から高齢者まで全ての人が、それぞれの居住地域で生涯にわたり豊かな暮らしをおくるには、何が求められるのか。これからの活力ある地域づくりのあり方について、実践事例も交えながら学びます。


 

第1回〔9月12日(火)〕

転換期の地域政策:地域創生の視点

加藤 恵正

兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 教授

 21世紀に入り、地域政策は分岐点にあります。日本経済のグローバル化と少子高齢化による「構造転換」は、日本の社会経済システム全体の再編成の必要性を顕在化させています。これまで地域間格差是正に焦点を当ててきた日本の地域政策の新たな進化が必要です。本講義では、こうした視点からこれからの地域政策のあり方、そして喫緊の課題でもある地域創生の展望について検討したいと考えています。

 

 

 第2回〔9月19日(火)〕

地域の稼ぐ力と雇用力

中村 良平

岡山大学大学院社会文化科学研究科・経済学部 教授

・東京一極集中に関して、「地域経済の構造的問題」として捉えます。
・地域産業を捉える視点として「産業二分法」の考え方を紹介します。
・地域経済の稼ぐ力と雇用力を見極める「経済基盤モデル」の適用について説明します。
・地域の成長と発展

 

 

 第3回〔9月26日(火)〕

「小規模集落元気作戦」から「INAKA応縁隊」-兵庫県のこころみ-

三宅 康成

兵庫県立大学環境人間学部 教授

 兵庫県では平成19年に、規模が小さく高齢化が進む集落を対象として、交流をキーワードに「小規模集落元気作戦」なる活性化支援策を始めました。全国的に見ても類のないチャレンジングな取組であり、開始後はや10年が経過しました。この間にいくつかの軌道修正やあらたな事業を取り込み、「地域再生大作戦」という大きな動きにつなげています。大学でも兵庫県のこれらの取組に対応し、地域に寄り添う学生団体「INAKA応縁隊」を結成し、学生の主体的な活動による協働活動を継続実施しており、本講義ではそのプロセスと成果や課題を解説します。

 


第4回〔10月3日(火)〕

増田寛也著『地方消滅』を読み解く

阿部 茂行

同志社大学政策学部 教授

 講義では2015年のベストセラー『地方消滅』(中公新書)の論点を分かりやすく整理した上で、この書物を読み解きます。次に議論の争点になりそうなところを指摘、ひとつひとつについて、どのような議論が一般になされているかを解説します。そして最後に21世紀研究機構のプロジェクト「人口減少、少子・高齢化社会におけるライフスタイルと社会保障」の最新研究成果を紹介し、『地方消滅』との共通点や齟齬を解説することにより、問題の理解を深めます

 


 第5回〔10月10日(火)〕

若い人たちの力が輝く魅力ある多自然地域の拠点都市形成方策

平田 富士男

兵庫県立淡路景観園芸学校

(兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科) 教授

 地方創生を進めていくうえで、大都市と過疎地域の中間にある多自然地域の拠点都市は、過疎地域から大都市への人口流出を止める「ダム」の機能だけではなく、大都市から地方への回帰を促進する「ポンプ」の機能も期待されるなど今後大きな役割を期待されています。また、その地域には空き家、農地、自然環境、コミュニティなど多様な資源があり、それに着目した若い世代が、「意外で新たな」動きをそこで始めています。そのような動きをさらに活性化して、県土の均衡ある持続的発展をどのように目指していけばいいのかを考えます。

 

 第6回〔10月13日()〕

陥没(へこん)で、たまるか!-熊本地震震災をバネにした地域づくり-

徳野 貞雄

一般社団法人トクノスクール・農村研究所 代表理事

 熊本地震は、ムラ型とマチ型の二重の震災であり、また地震と6月の豪雨の性格的にも、地域的にも二重の震災であります。特に、農村部分の農業支援やクラシについてのサポートが非常に脆弱なので、この問題について考察してみたいと思います。特に、支援組織の主体形成における社会的・経済的格差やマスコミ報道の社会的格差についても触れてみたいと思います。 

 

 

 第7回〔10月17日(火)〕

「観光」その歴史的意義と現代的課題

山崎 正雄

神戸山手大学現代社会学部 教授

 2000年代に入り脚光を浴び始めた「観光」。それは「旅」とはどう違うのか。

現在では、Tourism =観光、Tourism=Travel with pleasure.“観光”は楽しみのある“旅”とされています。昨今注目されている“観光(ツーリズム)”の課題は、訪日観光客数の増加、すなわちインバウンドが中心です。今後4000万人、いやそれ以上の訪日観光客が日本の経済を大いに活性化すると期待されている訳です。訪日観光客の大幅な増加については、社会全体のマクロな視点から、また観光関連事業者が受ける経済的利益という視点から歓迎されるのは当然ですが、一般の人々が皆同じように訪日観光客の大幅増加を期待し歓迎しているとは思えません。
 さて、今年は神戸開港150年の年にあたります。そこで「温故知新」。“観光”が持つ
パワーとロマンを歴史の中で改めて考えてみたいと思います。そもそも日本の“観光”は1853年のペリー来航と大いに関係があるのです。幕末から明治にかけて本来の“観光”の持つ力を大いに信じた岩倉具視卿や 戦後まもない昭和の時代に現代的“観光(ツーリズム)”の本質や意義をすでに見抜いていた松下幸之助翁の話題などもお話ししたいと思います。観光と地域というテーマでは、友人に協力し、取り組み始めている新温泉町の話題も取り上げたいと思

っています。全体的に気軽で楽しい話ができればと思っています。

 

 

 第8回〔10月31日(火)〕

人口減少下の都市政策:EUの経験から

阿部 大輔

龍谷大学政策学部 准教授

 わが国が急速な人口減少、少子高齢社会化時代を迎える中、地方都市ではインフラの維持・更新や地域コミュニティの存続に困難が生じることが懸念されます。また、地方財政の悪化や税収の低下にともない、各自治体があらゆる行政施設を整備するフルセット主義の地方行政は限界を迎えています。世界的に見ても稀に見る人口動態の急速な変化に対応する都市計画手法は未整備ですが、従来の必要な都市機能の確保というシビルミニマムの実現に留まることなく、社会的弱者の増大に伴う貧富の顕在化や都市内格差といった問題の解決や、都市の魅力の向上など積極的な役割を果たさなければなりません。そのためには、現行の土地利用制度の柔軟化や広域都市圏の形成による複数自治体の連携、ノウハウを共有し開発につなげる都市間ネットワークの形成が必要です。 

 

 

 第9回〔11月7日(火)〕 

広域連携と都市間ネットワークの可能性:コンパクトシティを批判的に考える

阿部 大輔

龍谷大学政策学部 准教授

 わが国が急速な人口減少、少子高齢社会化時代を迎える中、地方都市ではインフラの維持・更新や地域コミュニティの存続に困難が生じることが懸念されます。また、地方財政の悪化や税収の低下にともない、各自治体があらゆる行政施設を整備するフルセット主義の地方行政は限界を迎えています。世界的に見ても稀に見る人口動態の急速な変化に対応する都市計画手法は未整備ですが、従来の必要な都市機能の確保というシビルミニマムの実現に留まることなく、社会的弱者の増大に伴う貧富の顕在化や都市内格差といった問題の解決や、都市の魅力の向上など積極的な役割を果たさなければなりません。そのためには、現行の土地利用制度の柔軟化や広域都市圏の形成による複数自治体の連携、ノウハウを共有し開発につなげる都市間ネットワークの形成が必要です。

 

 

 第10回〔11月14日(火)〕

持続可能な地域の実現に向けた協働のまちづくり

新川 達郎

同志社大学大学院総合政策科学研究科 教授

 人口減少・高齢社会化が進行している現在、都市であれ農村であれ、縮退社会状況にあり、その過渡期と将来の定常化を踏まえた地域づくりを考えていかなければなりません。若者の雇用創出や希望に応える子そだて条件整備、安心安全のまちづくりなどが試みられていますが、簡単に縮退トレンドを覆すことはできません。こうした地域の持続可能性を高めていくには、地域住民と外部の諸資源とが効果的に結びつき、多様なアクターによる協働を実現していくしかありません。地域の持続可能性を高める協働によるまちづくりついて考究することにします。

 

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