【地球環境】-地球温暖化を前に私たちは何をなすべきか

 

 世界の平均地上気温は、1880(明治13)年から2012(平成24)年までの間に1℃近く上昇しています。これは、化石燃料の消費など人間の活動に伴う温室効果ガスの排出増によるところが大きいと考えられます。地球温暖化の影響は、生物活動の変化や、水資源や農作物への影響など、自然生態系や人間社会にすでに現れています。将来、地球の気温がさらに上昇すれば、より深刻な問題が生じると予測されています。地球温暖化の現状と私たちの暮らしにもたらす影響を多面的に検証するとともに、持続可能な未来社会を切り拓くために、私たち一人ひとりが今、何をなすべきかを学びます。


 

第1回〔9月13日(水)〕

地球温暖化の原因と将来予測

鈴木 胖

(公財)地球環境戦略研究機関関西研究センター 所長

 地球温暖化の状況、その主な要因が化石燃料の大量消費によるCO2の大気への大量排出であることを説明します。温暖化を抑制するため、化石燃料に依存した現在のエネルギーシステムをCO2排出のない(CO2フリーの)システムに転換することが喫緊の課題です。温暖化の将来をシナリオ分析に基づいて予測した結果を紹介します。

 


第2回〔9月20日(水)〕

温暖化と六甲山の植生

服部 保

兵庫県立大学 名誉教授

 温暖化によって生態系へ多大な影響が懸念されています。六甲山においても、温暖化は六甲山頂部のブナ林の絶滅および山腹部のコナラ林の照葉二次林化を促進しています。温暖化によって六甲山の自然にどのような影響が出るのかを明らかにします。

 

 

 第3回〔9月27日(水)〕

温暖化と水産業-瀬戸内海のイカナゴやノリはどうなる?-

反田 實

兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター 技術参与

 瀬戸内海の漁獲量は最大時の3分の1に減っています。イカナゴも例外ではありません。また、県の基幹漁業であるノリ養殖の生産枚数も約2分の1に減っています。水産業は基本的に自然環境に依存している産業で、水温を始め水産業に影響を与える要因は様々です。したがって水産資源の変動を一つの要因で説明できることはほとんどありません。本講義では、海水温の上昇とその影響のほか、最近問題となっている瀬戸内海の貧栄養化についても紹介します。

 


 第4回〔10月4日(水)〕

農業の行方-温暖化適応技術の開発-

牧 浩之

兵庫県立農林水産技術総合センター農業技術センター 主席研究員

 県立農林水産技術総合センターでは、温暖化に対応した各種の農業技術の研究開発を精力的に行っています。本講義では、これまでに開発した水稲、果樹、施設園芸等の温暖化対応技術の概要を紹介します。併せて、今後取組みの強化が必要と考える降雨異常(干ばつ、

短時間強雨)に対応するための現時点での取組みや、今後必要と予想される研究開発の方向性について紹介します。

 


 第5回〔10月11日(水)〕

地球温暖化による健康影響

小野 雅司

 (国研)国立環境研究所 客員研究員

 国立環境研究所が2000年より東京都および全国政令市消防局の協力を得て収集している救急搬送熱中症患者データ及び沖縄県の定点23医療機関を受診した熱中症患者データ(救急搬送以外を含む)に基づいて、熱中症患者の発生状況、発生原因等について紹介します。また、熱中症予防のための気温情報(WBGT)について紹介します。併せて、地球温暖化に伴う健康影響の拡大について紹介します。

 

 

 第6回〔10月25日(水)〕

台風・豪雨災害に関する気候変動影響評価と適応に向けて

中北 英一

 京都大学防災研究所 教授

 ここ何年にもわたり、ゲリラ豪雨、そして梅雨前線・台風等による集中豪雨・大規模豪雨による鉄砲水・斜面崩壊、内水や越水氾濫による災害が生じ、社会の注目が増してきています。その注目の大きな理由は、最近あまり経験してこなかった規模や形態の豪雨や出水が生じていることと、10数年前からようやく防災関係者に認識されつつある地球温暖化ではないか?と社会一般でも思うようになって来ている、ことにあります。気候変動で、将来どう変化するか、どのような方針で対応すべきであるかをお話しします。

 

 

 第7回〔11月8日(水)〕

パリ協定の下での国際枠組と各国の動向

田村 堅太郎

(公財)地球環境戦略研究機関関西研究センター副所長

 新しい国際気候変動枠組みであるパリ協定が、2016年11月に発効しました。本講義では、パリ協定が実効性をもって実施されるための課題や、パリ協定採択前後の米国や中国などの主要国における気候変動政策やエネルギー政策の各国動向についても紹介し、日本への示唆・課題を考えます。 

 

 

第8回〔11月10日()〕

地球温暖化と食品ロス

中野 加都子

甲南女子大学人間科学部生活環境科 教授

 食品ロス問題は深刻な環境問題の一つです。食料輸入の多いわが国ではフードマイレージの点から地球温暖化と密接な関係があるほか、大量の食料廃棄に伴うごみ収集及びごみ焼却時の二酸化炭素の排出等で地球温暖化と関与しています。このように考えれば、食品ロス削減は地球温暖化防止のために、私たちが日常生活の中で実行できる最も身近な対策でもあります。
 本講義においては、食品ロス削減のために自治体、飲食店等で行われている最近の対策事例を紹介するとともに、私たちに実行可能な対策について考えます。

 

 

 第9回〔11月22日(水)〕

パリ協定の下で国内政策はいかにあるべきか

新澤 秀則

兵庫県立大学経済学部 教授

 京都議定書の後継合意として、バリ協定が発効しました。パリ協定の運用ルールはまだ交渉中ですが、各国は目標の達成に向けた国内政策の整備を始めています。日本も例外ではありません。この講義では、まず、京都議定書以来の、日本の国内政策の動向と到達点を解説します。その際、京都議定書とパリ協定の相違点についても注目します。また、日本及び海外の環境税や排出権取引の実施例を紹介し、日本が今後それらをどのように使うべきかを論じます。これらを通じて、パリ協定の下で国内政策はいかにあるべきかを検討します。

 

 

第10回〔11月29日(水)〕

再生可能エネルギーの行方

鈴木 胖

(公財)地球環境戦略研究機関関西研究センター 所長

 温暖化を抑制するため、化石燃料に依存した現在のエネルギーシステムをCO2排出のない(CO2フリーの)システムに転換することが喫緊の課題です。現在利用できるCO2フリーのエネルギーは再生可能エネルギーと原子力しかありません。前者を利用して電気を発生する方法とその問題点、課題解決の対策を述べ、将来の方向を論じます。

 

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